006 窓の女と林の女が出会った

窓の女は、仕事から帰宅して、一息ついていた。

 

おーい、こんにちは、呼び止めてごめんなさい。

 

いえ、私も仕事が終わったところです。

 

出勤途中の林であなたの仲間に出会いましたよ。

 

たぶん、その区域の担当者ですね。

 

挨拶したら、あなたのように、右手にゴミを持ったまま、左手で空を指差していましたよ。

 

でもそのあと無言だったから、別れの挨拶をして、通り過ぎました。

 

ふだん私たちはテレパシーで話しますから、無言だったのだと思います。

 

窓の女は無言になった。

 

ランチのスパゲティがよほど美味しかったんですね。

 

もしかして思ったことが通じたの?でも惜しい、フィットチーネでした。

 

この星のテレパシーは難しいです。

 

ランチがまだなので、これで…。

 

わざわざ遠回りして通るのは、気持ちが良いからですよ。

 

林のことですね。ランチの後で歩いてみます。

 

女は男を見送った。林のこともテレパシーで伝わったかどうかは、さだかではなかった。