010 カモシダサーの機能に誤算があった

窓の女はカモシダサーについて考察していた。

 

1、ほとんど透明な機械で、冠の形をしている。

 

2、草の香りがする、あの林のように。

 

3、空飛ぶ男や林の女のテレパシーを聞くことができるようになる。

 

おーい、ごめんね、聞きたいことがあります。

 

カモシダサーのことなんだけど、もしかして余分な機能がついてますか?

 

テレパシー以外では、体験を記録する機能がついています。

 

それかあ。

 

どうかされましたか。

 

今日ね、外すの忘れて一日中過ごしてたんです。

 

確かにあれは、羽のように軽く、それでいて簡単に外れませんからね。

 

そしたらさっき、カモシダサーを使いはじめてから、これまでのことを、ふたたび体験したんです。

 

それはおかしいですね、そんなことは起こらないはずです。

 

この星の人が使うと、そうなるのかもしれませんね。

 

問題ありそうですね。幸い、まだ、あなたしか使っていません。他の方にはこの仕事を断られてしまいましたから。

 

えっ。

 

断った人たちは騙されることを恐れたようです。

 

そっか。

 

窓の女の想いが、空飛ぶ男に伝わった。人は他人を騙さない。人生という神話から逃げるために、自分を騙す道の先輩についてゆき、いずれ他人を同じように巻き込む。それが他人を騙す形になる。

 

カモシダサーについてのまとめ。ほぼ透明の機械で、冠の形をしている。草の香りがする。被るとテレパシーが聞こえるようになる。身につけた者の体験を記録する。この星の者が身につけると、記録された体験をふたたび体験することがある。